何処にある山かネットで調べたら、越前の今庄の町からすぐ近くの山で、お隣にはよく似た名前の鍋倉山があり、周回コースで登るのが普通だとわかった。京都から出発したＹさんの車に私の自宅近くで拾ってもらい、ＪＲ今庄駅の駐車場に車をデポし、出発は９時２０分だった。最初は今庄の街中を歩く。北国街道と表示がある道を曲がるとすぐに藤倉山登山口と小さな標識を見つけ、そこを登って行くとスミレやイカリソウ、ヤマエンゴサクなど春の花が見られた。そして、ロープがはってある中にカタクリの群落があった。ほとんど花は終わっていたが、少しだけ残っていた。

　カタクリ群生地の急坂を登りきると燧ヶ城址という標識があるポイントに着く。詳しく城跡の説明がされていて、ここが一つの山城だったようだ。そしてちょうど藤倉山から鍋倉山へと続いている尾根の取り付き点となるようだ。ここからさらに進むと眺望が開けた場所があり、小休止をしながら山の同定を楽しむが、なかなかはっきり山名がわからない。全部の山肌が白く見えるので、まだ雪が残っているようだ。

　やがて細いブナ林が出現する。そして眼下には今庄の町並みが望めた。真ん中に見れる黒いラインはＪＲ北陸線のようだ。今日は天気がいいことは予想されたが、まだ４月なので冬の衣装にしたが、これが間違いだったようで、朝から気温がかなり上がってきた。目の中に入るくらい大汗をかきながらの登り道となった。

　階段状になっている急坂を登り切ると藤倉山の頂上に到着した。ここで証拠写真を撮ってもらった。頂上近くにはたくさんの登山者が食事をしていたので、先に進み少し下った日陰の場所で昼食をとった。久しぶりに山に入り、この素晴らしい環境の中での昼食は最高に美味しかった。

　１時間近く昼食を楽しみ、尾根道を鍋倉山方向に出発するとすぐホノケ山へと表示のある分岐に出た。少し先を進み偵察してみたが、ブッシュがひどくすぐ引き返した。こちらに進む人はいないようだ。軌道を戻して尾根道を進むとすぐに激下りで、雪が残る道となる。今日のコースは手頃なハイキングコースなのかたくさんの登山者にであった。

　そしてさらに進むと、本日一番の気持ちのいいブナ林が続く下り道となる。先を進む登山者も気持ち良さそうだ。前回の妙理山の雪のブナ林尾根もいいが、今日の新緑ブナ林尾根も素晴らしい。それほど標高がないのに手頃なブナ林歩きができるいいコースだと思った。

　前方遠くに尖った山が見えてきた。さっき偵察した分岐を進むとその山に続いているようだ。かなりの距離のようで、実際は南条方面から入る登山口があるようだが、こちらからもアプローチが長そうだ。Ｙさんは何時か登りたそうだ。やがて水子地蔵という登りが掲げてあるお寺に到着。ここが弘防寺というらしい。

　ここから峠道で下山の予定が、間違えてこの寺の参道を下ってしまった。下山道には番号がふってあるお地蔵さんが等間隔にあった。どれにもお花が飾ってあった。お世話されている方がいらっしゃるようだ。こころの中で今日の安全登山に感謝した。それにしてもこの日は気温が高かったようで、下山後の１６時でも町の温度計が２６℃を表示していた。今日のコース、少しみくびっていたが適度に歩きがいのあるいいコースだった。