最後に冠雪した北アルプスをもう一度目に焼き付け下山にかかった。下山も同じコースなので快適だった。登りの３分の２以下のタイムで登山口駐車場まで戻れた。昨日今日と百名山でも全く様相の違う山に登った。お天気は仕方ないとしても「百の頂に百の喜びあり」どちらも素晴らしい山であった。何時も下山後に湧き上がって来る心地よい達成感と幸せな気持ちで帰路についた。

前日の「紅葉と樹氷と日光白根山へ」

　たくさんの登山者の間をぬって尾根の端までいって３６０度の大パノラマを写真に収め、頂上の標識のところで記念写真を撮ってもらった。角度的に北アルプスを背景とはいかなかったが、真っ青な空がバックに入った。ここで買っていた行動食をゆっくりいただき百名山３１座目の登頂の余韻に浸った。

　次はお隣の山、根子岳へと繋がる分岐を通過する。間もなく尖がった頂上が見えてきた。最後のアプローチは木道の階段となっていて、一歩一歩ゆっくり登って行った。登りきったところが頂上への尾根のようでたくさんの登山者が腰を下ろして憩っていた。浅間山方面の眺望も大きく開けて綺麗に望めた。

　紅葉した山の斜面、その遥か遠方に北アルプスを入れて、絶景のポイントでお気に入りのワンショットを撮ってもらった。やがて森林限界となると、草紅葉がきれいなポイントも出てきた。８合目を過ぎると最初の分岐の標識が立っていた。ここを下るとショートカットで鳥居峠へ至る道らしい。

　今まで牧場の中に登山道があるコースを歩いたことはない。でもここは広大な牧場に牛が放牧されていて、真ん中に登山道があるため、牛がいる近くを通らないと頂上へ行けない。近くに寄って来た牛たちに思わず「おはよう」と声かけしてしまった。朝から癒されながらの登山となった。

　昨日、日光白根山から下山してから遠路あずまや高原のホテルまで移動してなんとか６時前にはホテルに入れた。今回３泊の中で一番のホテルだった。朝、ホテルの山に詳しい部長さんから情報を入手。四阿山は登りやすい山であること、途中に牧場があり、その中に登山道があること、今朝が放射冷却でかなり冷えたので天気は最高となるだろうことなどすべていい話だった。

　登山道の脇に何故か咲いていたマツムシソウらしき紫色の花を見つけた。わざと影をつくって写真におさめた。この時期に綺麗に咲いている花に出会えるのは嬉しいものだ。７合目を通過し、高度がさらに上がっていくと白樺林越しに北アルプスが広がっている光景が望めた。これもまた素晴らしい景色だ。

　昨日の寒冷登山で懲りて今日の登山尻込みしていた家内に、部長さんから聞いた話を伝え、なんとか納得してもらって今日も一緒に登ることになった。ホテルの前が一つの登山口となっているようで、昨夜暗くてわからなかったけれど、車を停めたのがここから登るコースの登山口駐車場だったようだ。結果として頂上ピストンするのに最高の場所に車をデポしたようだ。

　牧場の外れくらいまで高度が上がると、牛の群れの背景に北アルプスの連山が綺麗に見えてきた。連山の右手の山々はかなり白くなって見えた。白馬岳辺りの山々だろうか。こんな風景を見ながらの登山は経験がない。これ以上ない晴天の中で、素晴らしい景色を見ながらの登山。これほど心地よいものはない。

　さらに進むと、浅間山に連なる山々が背景になる登りとなった。こちらの景色も素晴らしい。次の分岐では菅平高原から中四阿を経由して上がってきた登山者に出会った。おそらくそちらのコースがこの山のメインルートだろう。