避難小屋から歩きにくく長い道のりでやっと到着したところは、武尊牧場スキー場の上部（三合平）でした。この高原には、綺麗な赤いベニバナイチヤクソウ、ヤマオダマキ、ヒオウギアヤメ等々の花々が迎えてくれました。そして前方には山々の眺望が開け、赤城山、皇海山、尾瀬方面の山々が見れました。ツアー会社の心遣いか最後の下りはスキー場リフトで助かりました。下に宿のマイクロバスが待っていてくれて今日の登山がすべて終了しました。それにしても早朝から夕方まで９時間のロングコース。刻々変化する植生と草原から岩場までの変化する登山ルート。記憶に残る山歩きの一つとなりそうです。

武尊山で出会った花々はこちら

　今年百名山２座目もPツアーの企画参加しました。申し込んだ時点であいていた企画は少なく、今回は少し遠くになりました。バス中前泊で旅館１泊のツアー。百名山には難しい名前の山が多いですが、この山もホタカヤマとは読めませんでした。日本武尊（ヤマトタケルノミコト）の東征神話にちなんでいるようです。

　長い歩きの後やっと地図上に表記のある武尊避難小屋に到着しました。ここから斜度も緩くなり、白樺林、カラマツ林、ブナ林と刻々と変化し素晴らしい環境でしたが、今朝まで降った雨で道がぐちゃぐちゃ状態で、とにかく滑って転ばないよう気をつかっての下山となりました。途中で小柄ながら綺麗なショウキランを一株見つけました。

　心配のお天気は、とりあえず雨はあがり合羽は着なくてよさそうですが、今日は晴れ間は望めそうにない感じでした。出発してすぐ武尊神社がありました。いわれが多そうな社に見えました。ガイドの説明ではこの周辺には同名の神社が２０社以上あるとか。１時間ちかく林道を歩き、終点から本格登山道が始まりました。

　下山道にも垂直下りを含めて３か所の鎖場がありましたが、慎重にみんな無事に通過できました。次には笹原となりましたが、ガスが少しとけ、前方の視界が少し開けてきました。上部に雲のかかったのはお隣尾瀬の山々のようです。次回７月にその２座を目指すことになっています。

　記念写真を撮ってもらい、一等三角点にタッチしてすぐに下山開始です。頂上滞在時間は２０分でした。下山し始めてすぐ立派な像が鎮座していました。日本武尊の像のようです。私の地元伊吹山頂上にも日本武尊の像が立っていますが、こちらの方が数段ご立派でした。

　良いペースで登って行くとやがてブナ林が現れてきました。後で知ったことですが、この山麓周辺は有数のブナ林帯のようです。登山道沿いの植生も緑一色で目に沁みます。登り始めてすぐ今年初見のコケイランを２株見つけました。その他ヤグルマソウ、マイズルソウ、ゴゼンタチバナ、ユキザサ等々お馴染みの植物が咲いていました。

　コースは西山麓の裏見の滝登山口をスタートし、登頂後東山麓武尊牧場スキー場へ下山するようになっていました。マイカー登山ではできないツアー企画参加の一番のメリットです。登山口に途中で乗り換えたマイクロバスが到着したのは朝６時をまわっていました。今回の参加者は２１名。バス添乗員ガイド１名と現地ガイド２名で準備体操をしてスタート。ガイドの話では今日は９時間コースで途中鎖場も何か所かあるという。気を引き締めてスタートしました。

　手小屋沢避難小屋を過ぎて頂上が近づくとガイドの前触れどおり鎖場が次々と現れました。慎重に４カ所の壁を乗り越えると尾根道に出てやがて頂上に到着しました。残念ながら視界は良くなく、本来３６０度大展望の頂上のようなのですが、何も見えませんでした。この時期なので仕方ありません。雨が降ってなく、風も強くないだけましと諦めました。

　しばらくで三ツ池と標識があり、３つの池が次々と現れました。池の淵の道沿いにはミツバオウレン、コイワカガミ、キヌガサソウの群生も見られました。やがてアズマシャクナゲが綺麗に咲いている中岳下の分岐に到着。小休止。