先週行ったマキノスキー場から寒風手前のブナ林スノーシューハイクの時に出会った山スキーヤーと奇遇にも黒河峠への林道入口で出会った。この日は天気が悪く、誰も入ってなかったら帰るつもりで出かけて来たが、その方Ｍさんと同じ会のＴさん、黒河峠から三国山まで登るというのでご一緒させていただいた。前々から冬の三国山頂上へ山スキーで登ってみたいと思っていた。

　出発はかなり遅い時間だったが、我々３人以外にトレースはなかった。一人だったらとても行かなかっただろう。林道入口から峠までの高度差は300mといったところなので、緩斜面を登る感じだ。ただ、２カ所ほど積もった雪が林道を斜めに沢まで斜面をつくっているところがあり、慎重にトラバースして進んだ。

　それにしても今年も雪はかなり多い。林道側面の写真を見ていただくとわかるだろう。上左の写真は一部雪がとけて林道の表面が見えた状態だ。上右の写真はカーブミラーが完全に雪に埋もれている。積雪は余裕で2m50くらいはあるだろう。天気は雪が降ったりやんだりで、やんでいる時間の方が少し長いようだ。今日の天気予報は見事にあたっている。

　お二人はとても元気で、気持ちよく林道を進まれる。１時間４５分ほどかかって黒河峠に到着する。花の季節には何度も来ているこの峠、やはり冬は別世界の風景だ。この峠の目印トイレの小屋が、写真のように雪に完全に埋もれている。反対側にまわり込み風のあたらないところで初めての小休止。雪が強くなってきたが、ここから予定通り三国山をめざすことになった。

　夏道と同じところから登り始めると立派なブナ林が現れる。この辺りから傾斜がきつくなり、山スキーの威力が発揮される。三国山頂上らしき白い頂が見えてきたと思ったらそこにたどり着くまでに軽い登り返しとなる。そして頂上には立派な雪庇ができている。Ｍさんに頼んで頂上でのバンダナショットを撮ってもらうが風が強くバンダナをうまくもてない。

　苦労してなんとか「いろり」の文字が見えるように撮ってもらって、頂を下りる。この付近は3mくらい積もっているのではなかろうか。Ｔさんも雪庇を崩さないよう慎重に頂上を下りられる。その向こうは白い山が広がっているが、先週、先々週と登った赤坂山、大谷山方面の山並みだろう。青空だったらとふと思ってしまう。

　やがて樹木が増えてくるとターンが思うにまかされない状況となるも、とても気持ちが良い。あっという間に黒河峠に到着。ここからは来た時に残ったトレースをたどって林道を下る。タイムは登りの1/3以下の時間だ。今日はまったく奇遇な山スキーだった。それでも念願だった雪の三国山頂上に立てた事は嬉しい。冬の雪山は夏山とあまりにもその姿を変えてしまう。そんな事も勉強した一日となった。

　頂上雪庇の壁で風よけをして、昼食をとって素早く滑降体勢に入る。頂上直下は樹木がないので、快適にターン弧を描くことができたが、新雪が20cm以上昨夜に積もった割には少々雪が重いように感じた。