長い下りの最後は綺麗なオオシラビソ林となり、沼尻平への分岐に出て、再びミニ湿原の木道歩きを進むと今日の宿、尾瀬沼ヒュッテに到着。昨日と大違いでまだ３時前だった。汚れた靴とスパッツと合羽のズボンを綺麗に洗い、お湯につかって汗を流し、美味しい夕食をいただいた。２つ山容の違う百名山登頂と尾瀬ヶ原、尾瀬沼の素晴らしい環境を歩くことが出来、大きな達成感にひたることができた。
　なお、翌日（天気は一番良くなった。）は、三平峠から一ノ瀬休憩所を経由して尾瀬入山口の一つ大清水まで歩き、そこで待っていたバスに乗りこみ、尾瀬戸倉の旅館で入浴と昼食をしてから帰路に着いた。
　今年の一つの目標だった尾瀬ヶ原と２名山登頂、無事果たせた歓びは大きい。

７月１６日至仏山登山と尾瀬ヶ原横断の記録へ

　尾瀬小屋はけっこう暑かったがよく寝られた。今日はもう一つの百名山燧ヶ岳登山だ。嬉しいことに、２年前から崩落により不通となっていた燧ヶ岳への見晴新道が４日前に一部道を付け替えて復旧され、そこを登れることになった。それにより、今日のコースタイムが２時間弱短くなりそうだ。

燧ヶ岳登山で出会った花

　途中広い分岐があり、ここのポイントからの眺望がとても良く、長めの休憩をとってもらった。眼下さらに尾瀬沼が近くになり、その向こうには一昨年秋に登った尖がった山、日光白根山と未踏の台形の山、男体山が望めた。(ガイド氏の説明により）この後、長くさらにドロドロの長英新道を尾瀬沼に下った。

　出発してすぐは、雨の心配もなく晴れ間も現れてきた。尾瀬沼への分岐を過ぎ、最初はまだ登りやすい道だったが、途中から新たに笹原を刈りこんでつくられた登山道となって行くと、道がぐちゃぐちゃにぬかるみ、しかも急登に変わった。昨日綺麗に洗った靴とスパッツがまたドロドロになる。

　間もなく俎�ｰ（2,346m）に到着。さらに視界が良くなり、昨日登り、横断した至仏山と尾瀬ヶ原が眼下に望めるようになった。ここでの休憩は短く、下山にかかると眼下に白く見える尾瀬沼が現れ、沼に向かっての下り道となっていった。

　間もなく最高峰柴安�ｰの頂に到達した。こちらも立派な石柱の標識で写真を撮ってもらった。くっきりとまではいかないが、山頂から周りの眺望を楽しんだ。昨日の至仏山頂ではできなかったので、嬉しいひと時となった。

　植生は至仏山とは大きく変わり、武尊山でたくさん出会ったショウキラン、初めて出会うアリドオシラン、イチヤクソウ等々違った花が楽しませてくれた。多くの人数が一斉に小休止するのにも困るコースだった。泥の登山道に飽きてきたころ、元々の見晴新道に合流した。

　朝の出発時間も少し遅めとなりゆっくりできた。小屋の外に出て木道から朝一の燧ヶ岳を撮った。天気予報は曇りだが眺望はあるかもしれないと期待が膨らむ。昨日のように下山してから長い木道歩きは無さそうだが、山自体は今日の方が少し男性的で標高差も1,000m弱あり厳しそうだ。朝の準備体操をして６時半に山小屋を出発。今日の宿は下山後尾瀬沼畔のフュッテとなっている。

　そちらの方は石と岩の道で少し登りやすくなったが、この時から雨が降りだし、合羽の上下を着ての登山となった。小雨は降っていても頂上が近づくにつれ視界が良くなってきた。遠くにぼんやりと一昨年登った平ヶ岳や先月登った武尊山、昨日の至仏山が望めるようになった。

　「燧ヶ岳」の名は総称で、いったん下ってわずかに低い第二の頂、俎�ｰへと向かう。この時雨はほとんどやんでいた。先発のもう一つの班が頂を目指すのが望めた。