苦難の北海道東百名山三座登頂

【日 時】 2016年8月29日(月)
【行き先】 雌阿寒岳(1,499m)
【天 気】 雨
【メンバー】 シャラ

【コース・タイム】
 野中温泉登山口(スタート) 5:00
 三合目             5:50
 五合目             6:25
 七合目             7:00
 九合目手前          7:25
 雌阿寒岳頂上     7:50  8:05
 野中温泉登山口(ゴール) 10:20

8月27日 羅臼岳登山の記録へ

 ガスって視界ゼロ、降り続く雨と時折の暴風の中で全員で何枚も記念写真を撮りまくる。苦難の登頂風景を記録に残したいという思いだろうか。今日の雌阿寒岳で百名山達成者が2名いらっしゃった。どおりでみなさん強者だと思った。ガイド氏の一人がポツリともらした。彼の住んでいる地域では先の台風被害者がたくさん未だ避難生活を続けられていらっしゃると。地元が復旧していないのに登山ガイドをするのは複雑な気持ちだと。でも我々はそのガイド2氏のおかげで無事3座登頂を果たせた。2氏に感謝し、こんな状況下で達成できた幸せに浸りたいと心から思った。未だ42座目、この後どうなるかわからないが、達成した時きっと今回「地の涯」の3座登頂のことを思い出すにちがいない。『百の頂に百の喜びあり』今回も達成感は計りしれない大きさだ。
赤線は今回歩いたトラックログ
 昨夜のホテルもまあまあの温泉旅館だったが、夜は靴や合羽を乾かす作業に追われ大変だった。今日は3座目の雌阿寒岳を登り、下山してから帰路の道中温泉で汗を流し、昼食後新千歳空港まで戻り、飛行機に乗らねばならないかなりタイトなスケジュール。その上、降り続く雨は今日もやみそうにない。

九合目下でガイドの説明
 昨日頑張って乾かした靴も、ズボンも合羽も完全には乾ききっていないままに今日も着なければならないのは辛い。地図で調べたら今日の標高差は730mくらい。何とか早く頂上を踏み下山して温泉に入りたいと登り始めてすぐに思った。みんな同じ気持ちのようで、会話もあまりなく黙々と登る。
頂上アタック
登頂写真
時折暴風吹く馬の背
 9合目手前でガイド氏からの説明があった。それは、頂上手前は馬の背となっていて、暴風が吹いて危険と判断した場合は頂上踏まずに下山することもあると。その場合フォイッスルを2回吹くので、その音が下山のサインなのでもし聞こえたらその場からすぐ下山せよと。併せて対風姿勢のレクチャーを受ける。
風をしのぐ場所で小休止後下山
 今日は雨降りなのに気温が高いのか湿度が高いのかかなりむせる。昨日濡れすぎてしまった合羽は防水能力がなくなってしまったのか、衣服まで水分がしみてくるようだ。まさに今日も苦行登山になりそうだ。三合目で最初の小休止をする。近くに可愛い花を見つける。羅臼岳でも咲いていたイワブクロだ。
三合目の小休止
出発
七合目の小休止
 朝は3時に起床し準備を整えバスに乗車、4時に宿を出発、途中のコンビニで朝食を調達してバスの中で食べ、野中温泉登山口で下りて登行準備をする。雨はやまず、テンションも上がらないが、ここまで来た以上3座目の登頂を逃せない。スタートの時刻はちょうど5時となっていた。
雌阿寒岳登頂
 今日のコースはいくつかある登頂ルートの中で、最短の直登コースのようで、百名山ツアーでは一番つかわれるコースのようだ。5合目を通過し、次の小休止は7合目だった。雨なのかむせた湿気なのか身体の中まで入ってくるようで気持ちが悪い。ただ気温が高いのは幸いで、これで気温が低い場合はもっと衣服を着て低体温症にないように注意しなければならない。
登山道へ
雨でぬかるむ登山道
 男女交互に隊列を入れ替え、馬の背を進む。時折10m以上の突風が吹き、その都度教えられた姿勢で立ち止まる。それでもフォイッスルは聞こえず、20名全員が登頂を果たす。道東百名山3座登頂が完結。2名のガイド氏と全員ハイタッチ。涙が出そうになった。
五合目を通過
イワブクロが咲いている
野中温泉登山口で出発準備